中学受験でプレゼンやレゴブロックも 特色入試で受験はこう変わる

 

 科目別の筆記試験が中心だった中学受験。だが近年、独自の入試を導入する学校が増えている。また、人気校でも英語入試を採用する動きが加速している。中学受験情報誌「カンペキ中学受験2018」(朝日新聞出版)から、首都圏の私立中学の入試についてお届けする。

*  *  *
 近年、増えているのが特色入試だ。適性検査型、思考力型、PISA型などと呼ばれ、首都圏では100校以上が取り入れている。17年も新たに、大妻多摩が「総合型」、大妻中野が「新思考力入試」、東洋大京北が「『哲学教育』思考・表現力入試」を導入した。試験内容も机上の筆記にとどまらず、レゴブロックを取り入れたりプレゼンをしたりと、多様化している。

 昨年は東大や京大が推薦入試や特色入試を導入したことが話題になったが、中学入試でも多様化はさらに拡大しそうだ。首都圏中学模試センター教務情報部長の北一成さんが解説する。

「3年間、あるいは2年間塾に通って受験の準備をする、というスタイル一辺倒ではなくなってきました。特色入試が増加し、塾通いをしなくても受験できるケースが増えています。中学受験は、従来型入試と多様な新型タイプに二極化してきました。また試験科目も、4科から、2科4科選択や得意科目選択など、軽量化の方向へ進んでいます」

 英語入試も増加している。17年は人気校の市川が新たに導入して話題を呼んだ。他に大妻中野、北豊島、宝仙学園理数インター、芝浦工業大柏などが導入した。選択型も含めると、首都圏では80校近い学校が導入している。帰国生徒の人数枠を広げる学校も増え、入試のグローバル化が加速している。17年の受験生の動向を、北さんはこう見る。

「最近の親はITスキルが高く、偏差値で学校を選ぶのではなく教育内容も詳細に調べて選んでいます。インターネット出願が増えて、締め切り間際に出願する家庭が増えてきました。その影響か、同じ日に複数校に願書を出すダブル出願が減り、当日の欠席率が減少して実受験率が上がっています」